これまでの記事では、採用される文章の特徴について書いてきました。
今回は逆に、採用されなかった文章について、
「なぜ採用されなかったのか」
という視点で見ていきます。

実際に投稿して不採用になった文章
投稿日:2024年5月29日
投稿先:朝日新聞「声」欄
日記は価値あるワーク
1年ほど前からパソコンでつけている日記の合計文字数が24万字を突破した。
いつの間にこんなに書いたのだろうと自分でも驚いている。
日記の良さというのはわかっていても継続するのが難しいと言う人も多いのではないだろうか。
私の場合は下記のような考え方をすることで継続ができているのだと思う。
まず、日記をつける目的を決めた。
1つ目は自分の現状を見つめ直すことで、今後の行動に活かすため。
2つ目は日々の感情を吐き出すことで、気持ちの折り合いをつけるため。
3つ目は後で検索したいときのために記録を残しておくためだ。
私にとって日記をつける目的はこれら3つであるので、必ずしも毎日つけなくてもいいものとしている。
書く文量にもこだわっていないので、数十文字しか書かない日もある。
また文章をきちんと書こうともしていない。
きちんと書こうとするとそれだけ時間とエネルギーを使うことになって継続が難しくなるからだ。
加えて、書きたいことまたは書き残しておきたいことだけを記せばOKとしている。
日記だからといって、一日の出来事をあれもこれもと書くわけではない。
今日吐き出しておきたいこと、記録しておきたいことに絞って書くことで、日記が単なる作業ではなく価値あるワークになると実感している。
このように割り切った考え方をして、自分にあったやり方を模索していくと、無理なく継続できる方法にたどり着けるのではないかと思う。
なぜこの文章は採用されなかったのか
結論から言うと、
この文章が採用されなかった最大の理由は、
「自分の中で完結しているから」
です。
具体的には、
・社会との接点がない
・客観的な裏付けがない
この2点に問題があります。
分解①:社会との接点がない
この文章は、「自分が日記を続けている」という話で完結しています。
読み手からすると、正直なところ
「それで?」
となってしまう内容です。
もちろん日記を続けること自体は価値があります。
しかし、
それが他者とどう関わるのか
社会にどのような意味を持つのか
が見えてこないと、
“個人的な報告”の域を出ません。
例えば、
・誰かに見せてフィードバックをもらっている
・日記が他者との関係に影響を与えた
といった要素があれば、
読者も「自分だったらどうだろう」と考えやすくなります。
分解②:客観的な裏付けが弱い
もう一つの問題は、客観性の弱さです。
「24万字書いた」とありますが、
この数字だけでは、読み手には
イメージが湧きにくい。
例えば、
「1日あたり600〜700字程度」
「1日あたり原稿用紙1枚~2枚」
と補足するだけで、
多くの読者にとって身近な数字となり、
イメージしやすくなります。
また、この文章では「文字数」を強調していますが、
実際に価値があるのはそこではなく、
「1年間継続したこと」
の方ではないでしょうか。
さらに言えば、
・日記は継続が難しい
・多くの人が途中でやめてしまう
といった一般的な事実やデータを加えることで、
「続けられた人」という価値がより際立ちます。
この文章の本質的な問題
ここまでをまとめると、
この文章に共通している問題は一つです。
「読者の視点が抜けている」
ことです。
- 自分は何を伝えたいか
ではなく、 - 読者は何を受け取れるか
この視点がないと、文章は一気に“内向き”になります。
どう改善すればよかったか
もしこの文章を改善するなら、
・日記の価値を社会的な文脈で示す
・継続の難しさを客観情報で補強する
・読み手にとってのメリットを明確にする
等の修正が必要になるでしょう。
シュンティの結論
良い文章は、
「書きたいこと」ではなく
「読まれること」を基準にできている。



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