【言葉のスケッチブック】人物描写 #1 木村拓哉

小説

「言葉のスケッチブック」シリーズでは、

絵描きがスケッチブックに目の前の景色を描き留めるように、私は言葉で世界を描き留めます。

人物や風景、何気ない日常の一場面。目に映ったものをそのまま写すのではなく、私にはどう見え、どう感じられたのかを言葉で切り取り、表現していきます。

描写力を鍛えるために書いていますが、

そのページをめくるたびに、少し違った景色を楽しんでいただけたらうれしいです。


人物描写 #1 木村拓哉

きりっと見開いた黒い瞳は、まっすぐ射抜くようにこちらを見つめてくる。
その鋭い視線の奥には、ふっと人懐っこさがのぞく。その落差に、目を合わせた者は知らぬ間に心を奪われてしまう。

瞳を縁取るゆるやかにしなった眉毛は、眉尻へ向かうにつれて少しずつ細くなり、肌へ溶け込むように消えていく。

前髪は、額の上を自然に横切って右へゆったりと流れ、その隙間からのぞく額が、大人の余裕を感じさせる。

鼻筋は両目の間をまっすぐ通り、光を受けると一本の白い線が浮かび上がる。
その下には人中が浅い影を落とし、わずかに広がりながら、赤みを帯びたやわらかな唇へと続いている。

上唇はゆるやかな二つの峰を描き、下唇はややぷっくりとしてその下にくっきりとした影を落とし、口元全体を引き締めている。

張りがある肌に隠れた頬骨は、彼がほほ笑んだ時にだけその存在感を示す。
鼻の脇にはごく薄いほうれい線が影を落とし、その笑みに、奥行きを与えている。

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